烏乃唄-カラスノウタ-


「…何で“あの唄”を歌ったんだ?」


「えっ…」



予想していなかった言葉に少し戸惑う。



「“あの唄”がなんで最後まで歌ってはいけないって言われてるか知ってるか?」


「拓哉?…どうしたの…?」



拓哉が突然『烏の唄』のことを話し始めたので驚きが隠せない。



「あの…『烏の唄』は最後まで歌うと“死ぬ”んだよ。死者を蘇らせる代償として…」


「……」



静香は明かされた真実に言葉を失った。



「お前唄の歌詞覚えているか?」



静香はふるふると首を横に振る。



「あの歌詞にはちゃんと意味があるんだ。」
< 142 / 161 >

この作品をシェア

pagetop