烏乃唄-カラスノウタ-


「『カラスが鳴いたカァと鳴いた』



『大切な人を亡くした人が泣く』。


『黒白(こくびゃく)を分かつ時』



『罪と正義の狭間で』。


『闇が生まれる』



『死者に逢うために罪を犯す』。


『カラスがカァと鳴いたら』



『大切な人を亡くした人が泣いたら』。


『不吉な唄が聞こえる』



『その人は禁忌の唄を歌う』。


『咎人(とがびと)探して』



『禁忌を破った人を死者は探し』。


『蘇る(よみがえる)』



『死者は罪人として蘇る』。


って意味なんだ。」


「それじゃあ、拓哉が生き返る変わりに私が死ぬの?」



不安げな顔で拓哉に訊ねると言いにくそうな表情でああと一言いった。
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