烏乃唄-カラスノウタ-
「静香…………っう!?」
今度は拓哉が胸を貫くような激しい痛みに襲われる。
あまりの痛みに胸を押さえていると今度は目眩が襲ってきた。
胸の痛みと激しい目眩に耐えられず拓哉はそのまま意識を手放した。
「……―かっ…し…―かっ!…静香!!」
「う…ん……」
「静香!?はぁ〜よかった…びっくりさせないでよ…」
誰かに呼ばれ拓哉は目を覚ました。
拓哉は目の前の静香の母に心配そうに抱きかかえられている状態だった。
ここがどこか確認するため辺りを見渡すとどこかの屋上だという事が解った。
「もう、静香がいきなり霊安室から飛び出して行くから心配になって探しにきたらこんなところで倒れてるんだもの。お母さんびっくりしたわよ…。」