烏乃唄-カラスノウタ-
静香の母は突然おかしな事を言い出す我が子がいよいよ大切な人を亡くしたショックでおかしくなってしまったのかと思った。



「静香大丈夫?きっと疲れてるのよ。早く下で休みましょう?」



しかし拓哉はその言葉聞き入れず淡々と続ける。



「本来なら俺が死ぬはずでした。でも静香が罪を犯したせいで俺と静香の運命が逆になってしまいました。」



意味の分からない事を言われ静香の母は困惑した様子である。



「俺を助けてくれた静香には感謝してますが俺だけのうのうと生きてはいけません。」


「…静香?どうしたの…?」



もはや静香の母は全く理解出来ていない様子だ。


すると突然拓哉は静香の母に深々と頭を下げた。
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