烏乃唄-カラスノウタ-
「本当にごめんなさい。それから静香に変わって今までありがとうございました。」
そういうと拓哉は顔を上げ静香の母を見る。
「それからうちの父さんと母さん…拓哉の両親に突然こんな事になって悪かった。今までありがとう。って伝えて下さい。」
言い終わると拓哉は静香の母に背を向けゆっくりと屋上のフェンスに近寄って行く。
(静香ごめんな。せっかく助けてくれたのに…。
でもお前に俺の運命を背負わせておくのは居た堪れないんだ。)
フェンスの前まで来ると拓哉はガシガシと音をたてながらフェンスをよじ登った。
「?!静香!!」
漸く拓哉の異変に気付いた静香の母は急いで拓哉のもとへと走る。