烏乃唄-カラスノウタ-


「あっ美希またその話しー?」


一緒にいた常田恵理(ときたえり)が呆れたように話した。



「何でその時間帯はダメなの?」



良枝が不思議そうに質問する。


すると山口が少しニヤリと笑い、声のトーンを下げて喋った。



「出るんですよ…」


「出るって…幽霊?」


「そう」



そう言ってから美希はあははと笑った。



「まっどこにでもある噂ですよ!」


「美希、この村に初めて来た人に必ずこの話しするんですよ〜」



常田が隣で呆れていた。


「いいじゃん、いいじゃん!どう?先生怖い?」


山口は良枝の顔を覗いた。
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