烏乃唄-カラスノウタ-
そうこうしているうちにあと数秒で零時になろうとしていた。


良枝は心の中でカウントダウンを始める。



(・5・4・3・2・1・…0!)



カウントし終わるとハンドルをぎゅっと握り締めた。


しかし何も起こらない。


やはりただの噂だったのかなと思い車を発進させようと前を見た。


すると暖房をいれてもないのになぜかフロントガラスが曇り始めたのだ。


ましてや今は夏。曇る原因がない。


手で擦ってみるがおちない。
外から靄(もや)のようなもので覆われている感じだった。



「なんだこれ?」



その時



バン!



突然後ろから大きな音がした。


不振に思い振り返ると…



「!?」
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