烏乃唄-カラスノウタ-
次の日良枝は学校に行くと山口に昨晩の事を一部始終話した。



「せっかく忠告したのに行ったんだ…」



山口に言われ良枝はすまなそうな顔をした。



「でもよく無事に家に帰れたじゃん。先生が初めてだよ?」


「えっ、だって他の五人は…」


「死んだよ?」



山口がニヤリと笑いそう告げた。



「死んだって…だって怖くてこの村から出てったんじゃ…」


「うん。怖い思いして逃げて死んだの」



山口は物凄い笑顔で話してくる。



「先生も“あの”手形振り切ろうとして車走らせたでしょ?」



良枝は黙って頷いた。



「もしそのまま前が見えない状態で走らせたらどうなる?」



山口の質問に少し考えてから良枝は答えた。
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