烏乃唄-カラスノウタ-
なんか…鈍い…


宏隆はただただそう思った。



「あのっ予約したいのですが空いてますか?」


《はい〜…いつでも大丈夫ですー…》


「本当ですか!?じゃあ大人二人で八月十五日から三日間お願いできますか?」


《……畏(かしこ)まりました―…では〜お名前を…》


「永井です」



あまりにマイペースすぎるしゃべり方にしびれを切らし言い終わる前に告げた。



《−分かりましたぁ…それでは―お待ちしておりますぅ……》


「えっ名前だけで大丈夫ですか?電話番号は?」


《了解しておりますー…では〜失礼しますー…》



そうして電話は切れた。


最後の言葉は本当に了解しているか不安だったが取り敢えずよしとした。
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