烏乃唄-カラスノウタ-
眩しくて二人は自分の手で顔を光から遮った。


すると光は二人の前で止まった。

光の正体は車で中から中年の男性が声をかけてきた。



「おい!お前らどうした?」


「道が分からなくて…すみませんが笠峰旅館までの道を教えていただけませんか?」



宏隆はそういうと男性に地図を見せた。


すると男性は首を傾げた。



「ん〜?こんな旅館この近くにないぞ?」


「えっ!?でも確かに予約したんですけど」


「金払っちまったのか!?」


「いえ…まだですけど…」


「じゃあ悪戯(いたずら)だな!よかったな振り込め詐欺じゃなくて!」



宏隆ははぁと言うと早紀と向き合い首を傾げた。
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