烏乃唄-カラスノウタ-
宏隆は一瞬フリーズした。



《…それで〜大変申し訳ないのですがぁ…キャンセルのお電話がなかったのでー…一応キャンセル料的なものをお支払いいただきたいのですがあ…》



料金と言う言葉で宏隆は我に戻った。



「そっそうですねっ!おいくらですか?そうだ、銀行の口座も訊いとかないとな!」


《…半分で…取りに行きますから…》


「えっ?くる!?」


声が裏返ってしまった。

そしてその時宏隆は気付いた。

確かこの人に電話番号を教えていないはずなのに電話がかかってきたことを。



「あっあの来るって家を知っているんですか!?」


《―はい〜最初お電話いただいた時にぃ…了解いたしましたので……》
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