烏乃唄-カラスノウタ-


「ねぇねぇお兄ちゃん聞いて!私ラブレター貰ったんだよ」



ブッ!



ちょうど味噌汁を飲んでいた楓は吹き出してしまった。



「おい、それは本当か!?」


「やだお兄ちゃんそんなに驚かないでよ〜」


「まさかこんな奴にラブレターを書く哀れな奴がいるとは…」


「あっ酷いー!」



薫は膨れて楓を睨み付けた。



「冗談だよ。落ち着け!でそいつはどこの誰だ?」



楓は再び味噌汁をすすりながら質問した。



「あーそれがね、名前はあるんだけどね住所ないんだよ〜」


「そうなのか?大丈夫なのかその手紙?」


「うん。まだ一通しか来てないし

そういえば文通して下さいとかあったけど住所なきゃ出来ないよねぇ……せっかちさんだなぁ」


「そうなのか?それは間抜けだな」



二人は笑いながら夕ご飯を食べた。
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