烏乃唄-カラスノウタ-
次の日、薫が再び郵便受けを覗くとまた“駒形尚人”からの手紙があった。


住所はまた書いてない。


薫は自分の部屋に向かいながら手紙を読み始めた。




『 瀬川薫様

先日は自分から文通を誘ったのに住所もなくどうも失礼しました。


実は今訳があり住所を書く事ができません。


お手数ですがもし良ければお手紙を河浦駅公園のコインロッカーに入れて置いてもらえませんか?

駒形尚人』




「河浦駅公園かぁ…」



河浦駅とは薫が通学する時に使う駅の一つである。


そのすぐ近くに河浦駅公園という公園があるのだ。



「てか住所教えられないような怪しい人と文通なんてやだよ…」



薫は率直な意見を胸に部屋に入った。
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