烏乃唄-カラスノウタ-


「ああ。ちょっと課題をしに友達と山に行ってくるから」


「山!?」



薫は驚いて聞き直してしまった。


一瞬自分の兄が大学で何を専攻していたか分からなくなったが、まぁ気にしないことにした。



「何か心配だから行くの止めようかな…」



さすが兄というだけありいざというときは妹の事を心配する楓であった。



「たった四日でしょ?大丈夫だよ。それにお兄ちゃん課題出来ないと困るし」


「そうか?じゃあ取り敢えず戸締まりはしっかりするように。何かあったらすぐ携帯に電話しろよ」


「はいはい。」






翌朝学校に行く前に薫は楓に何回も念押しされた。


いい加減学校に行かなくては遅刻すると言うとようやく解放してくれた。
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