烏乃唄-カラスノウタ-


キィ



「あっ、また来てる」



学校を終えた薫は夕飯の買い物をすると真っ直ぐ家に帰ってきた。


そして郵便受けを開くとそこには“駒形尚人”からの手紙があった。


薫はその場で封を開けた。




『 瀬川薫様

少しこの手紙を怪しんでいるようですが全く心配はいりません。


私は本当にただあなたとお話ししたいだけですから。


住所をお教え出来ない事は本当に申し訳ないと思っています。


しかしそれでもあなたとお話しがしたいのです。


わがままでどうもすみません。


どうかお返事ください。

駒形尚人』





「何この内容…かなり一方的じゃない!それに自分で心配ないとか言わないでよ…!」



薫は何となく腹をたてた。



「こんな怪しい手紙に誰が返事書くもんですか!」



薫は怒って自分の部屋に戻ろうとした。
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