烏乃唄-カラスノウタ-


「何よこれ…これじゃあまるで私の事見ていたみたいじゃない!」



薫が昨日見ていたテレビがお笑い番組だと知るためには、薫の事を見ていなければ分からない事である。


その時また背中に悪寒と視線を感じ振り向いたが誰もいない。


薫は急いで部屋に逃げ込んだ。



「もー何なのよ!気持ち悪い!」



結局この日も返事を書く事はなかった。


それから気が紛れるようにとにかくひたすら勉強していた。


そしてそのまま机の上で寝てしまった。






「…はっ!寝ちゃったよ…」



目が覚めると既に辺りは明るくなっていた。


薫はシャワーを浴びてから朝食を取り朝刊を取りに下へ下りた。


郵便受けを開くとそこには新聞と一緒に“あの”手紙が入っていた。
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