烏乃唄-カラスノウタ-


「はぁ?道が分からんだと!?そこの壁から抜けりゃーすぐだよ!!」


「あっあのー…磯部さん?誰と話して…?」


「えっ?お前が招き入れた“霊達”だけど?」



俺はあまりの事に絶句した。


こんな体験は初めてだし、ましてや今まさに自分の目の前で友人が霊と会話していたから。


それから数分すると磯部は部屋の窓を少しだけ開けていた。


本人曰く(いわく)霊をお寺に導いている最中らしい。



「細野、今度間際らしい声聞こえても絶対開けるなよ?」


「おっおう……」



俺はぎこちない返事を返した。
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