烏乃唄-カラスノウタ-


「誰っ!?」



慎一郎は必死に自分の名前を呼ぶ人物を探した。



「チィッ!邪魔ガハイッタカ!?」



するとだんだん慎一郎の体は透け始めそのまま消えてしまった。







「――――っ…ろ……いっろ!し…ちろっ……慎一郎!!」



慎一郎は名前を呼ばせ静かに目を開けた。



「慎一郎!!!!先生!慎一郎が!」



名前を呼んでいたのは慎一郎の母だった。



「…俺」


「町田さんわかりますか?」


「豊島先生…」


「よかった。意識が戻って。」



慎一郎は辺りを見渡した。


ここは自分の病室で辺りにあの男性はいない。


ぼーとしていた慎一郎に慎一郎の母が抱きつき昨晩の事を泣きながら話した。


昨晩急に容態が急変し意識不明の重体になったらしい。
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