†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~

「ふぅ…すっきりした。」

シールズは一時間程水浴を楽しむと、ザバザバと水から上がった。
そして、まるで犬の様にブルブルと頭を振り濡れた髪の先から雫を飛ばした。


「はははっ、シールズの水浴は僕らのとはちょっと違うみたいだね。君のはどちらかというと鍛錬のひとつって感じだな。」

「そうかな…。俺は充分楽しんだつもりだけどなぁ。」

彼は、デニスの指摘に首をかしげ形の良い眉を寄せ難しい表情を作った。


「いやいや、悩まなくっても大丈夫。君ってホントに生真面目だなぁ。…それよりシールズ、お腹が空いてない?ランチを持ってきているから、良かったら一緒にどう?」

シールズはデニスに誘われるまま、彼の隣に腰を下ろした。
デニスの差し出すサンドイッチとレモン水を受け取り、彼はそれを頬張りながら今更のようにデニスと自分の関係を振り返った。




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