†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~
眩しいほどの金髪に、海の様なブルーアイが映える端正な顔立ちのシールズと、痩せぎすで顔色は白を通り越し青白く、その顔の中で大きな漆黒の瞳だけが自己主張をしているようなデニス。
この全く対照的な二人が一緒にいると、回りの人間はいつも不思議そうに首を傾げた。
“エリヒシュッツの坊主と生っ白い”粉屋“のデニスが友人だなんて…。”
“本当にあの二人を比べたら黄金と石ころみたいなものだわね。”
心無い人は、色白のデニスを“まるで麦粉で化粧でもしている様だ”と喩え“粉屋”と呼んで馬鹿にしていた。
その様な悪口を耳にしても、彼はいつもニコニコと笑みを絶やさなかった。
そんなデニスの中に、シールズは強い意志と勇気を見出していた。
彼は、デニスの人柄と彼の描く絵が好きだったし、デニスもシールズの騎士になるという夢に対する真面目な姿勢に敬意を払い接していた。