†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~
-昼下がりの誓い-
「 どうもしないよ。…ただ少し騎士を目指す自分に迷いがあるだけさ。」
「迷い?迷いって何?いつも自信に溢れている君も不安や迷いで眠れぬ夜があるっていうのかい?」
シールズの言葉に、デニスは驚き目を丸くした。
いつも、胸を張り迷い無く己の道を歩んでいるとばかり思っていた彼にも悩みがあるなんて…それは、デニスにとって新鮮な出来事だった。
「ほら…デニス、付き合いの長い君だって俺の本当の姿はわからないんだ。」
「わからないさ。全ての人の本質を知ることが出来る存在があるとしたら…それは神様くらいだろ。でも、僕は君の事は他の誰よりも理解してきたつもりだよ。」
デニスの言葉に、シールズは難しい顔をしたまま再びレモン水を口に含む。