†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~
「いいかい?シールズ、君はこのラビッド・テールの花が何色に見える?」
彼はそう言って、露に濡れたオレンジ色の小さな花を指差しシールズに尋ねた。
「何色って…橙色かな。」
「うん。でもね、その橙色だって人によっては見方が全然違うんだよ。ある人には海に沈む夕日の色に見えるかもしれないし、別の人はルクス島名産のオレンジの色に似てるって思うかもしれない。僕だってこの花をカンバスに描くとすれば、この橙色を表すために赤、黄、茶色…もしかしたら緑も少し混ぜるかもしれない。」
「……。」
デニスの言葉に、シールズは真剣に耳を傾け、身を乗り出したままジッと次の言葉を待った。