†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~
「つまりね。僕が言いたいのは、君は無理に父親を超えなくてもいいって事。人は君と父上を比較するかもしれない…でも、君と父親の持つ色は違う。色が違うんじゃ仕方がないだろ?それにね、君の色はこれから先も無限に変えることが出来るんだよ。」
「俺は父親を意識しすぎていたって事か?俺の人生は俺の色で染め上げてゆけば良いのか。」
シールズの言葉に、デニスは頷きニコリと微笑んだ。
「そう言う事!君は他の誰にもなれない。騎士団でも遠慮なく自分らしさを出せばいい。」
「自分らしさを…。」
彼の言葉を再び繰り返すシールズの瞳に、力強い輝きが甦える。
シールズの顔に笑顔が戻った。
彼は、デニスに向き直ると彼に向かって深く頭を下げた。
「ありがとうデニス。君のおかげで気持ちがとても楽になったよ。」
「どういたしまして!こんな僕でも君の役に立てたのなら…こんなに嬉しい事はないよ。」