†赤髪の冒険者ジーク外伝†~誓いの日~
「デニス、どうした?具合でも悪いのか?」
「…ああ…シールズ。ごめん、ちょっと考え事をしていたんだ。」
心配そうに見つめるシールズにデニスは微笑み返したが、その瞳からはいつもの輝きが失せていた。
「少し頑張りすぎじゃないのか?あまり根をつめると又発作が…。」
「大丈夫だよ。今日は一度も倒れてないし。君が思っている程疲れていないよ。」
心配するシールズの言葉に、デニスは少し憮然として横を向いた。
つとめて元気に見せようとする彼だったが、ここ最近の体調は決して良いとは言えなかった。
シールズにはむしろ悪化しているとしか思えず、彼はデニスに何度も肖像画制作の中断を申し出ていた。
だが、そのたびに彼は頑なにそれを拒み時には今までにない強い口調でシールズに反発したのだった。