救ける人逃げる人
銀行強盗をして逃走中、路端に倒れている人を発見したら、人はどういう選択をするのか?
通常の状況なら助けるけれど、自分が犯罪を犯して逃走中という特殊な状況があるから助けないという人が多いかもしれない。
なぜなら、銀行強盗犯人にとって一番大事なことは逃げることだから。
もし救助して病院へ運んでいたりしたら、その途中で捕まってしまうかもしれないから。
自動車の中にある現金入りの鞄が発見されてしまうかもしれないから。

しかし、それらはあくまで可能性にすぎず、助けたからといって自分が逮捕されるとは限らない。
人道上どんな状況であっても倒れている人を発見したら助けるという人も少数派ながら存在する。

この自動車の運転手であり、銀行強盗の1人である森田も、そういう考えの持ち主で、強行に救助すべきと主張し、銀行強盗をして逃走中であったにもかかわらず、車を停めてしまった。

逃走推進派の城戸は、車を停められてしまった以上、運転手森田を説得して救助をやめさせ、再び逃走のために車を発進させてもらわなければならない。
そこで、城戸は森田を説得することになる。
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