ミラーボールセブン
見上げると、あたしより先に起き上がったブリ男の顔が目の前にあって、はたから見れば狼に襲われてる乙女の図。

でも相手がブリ男じゃね…

この際だから、最初に見とれたまつ毛でも拝ませてもらおうかと、顔を近付けて、覗き込んだ。

「初めて見た時にも思ったけど、あんた、まつ毛長いよね。羨ましい」

いつもの調子で言い返してくるかと思ったのに、黙り込んでいる。

「ブリ男?」

不思議そうに自分の様子をうかがっているあたしに、なんでもないとぼそりと言うだけだった。

へんなの。

ブリ男ならブリ男らしくしてよ。

これがあってから、ブリ男は妙に静かで調子が狂った。

でも、今日は文句なしにあたしの勝ちでいいよね?

やったぁぁ〜!!



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