[短編] 題名のない出逢い
14話 君の手
振り出した雪の中
君は、笑っていた。
偶然なのか
運命なのか
そこに
君は、いた。
ただ立ち尽くす自分に
笑顔で答えてくれた。
君は、
そっと僕が、落とした傘を拾って
「大丈夫ですか。」と
声をかけてくれたね。
一瞬の出来事で
何を話したか覚えてないが・・・
「パラ パラ パラ。」
雪が降る。
強く 強く 雪が、降った。
僕は、自分の傘よりも
強く 強く
君の手をにぎった・・・冷たかった。