[短編] 題名のない出逢い
22話 春なのに
なぜか 白い吐息
が、出る今日だった。
辺りは、暗くなり
街路灯が、
夜のお知らせをする
時間になっていった。
「寒くないか。」
「・・・・」
「何か言えよ」
「ありがとう」
君は、そう言った。
「何だよ。今更、ただ買い物に付き合っただけだろ。」
僕は、そう言った。
少し強い口調で
何か悟ったかのように。
「・・・」
「だから・・ありがとう」