[短編] 題名のない出逢い
25話 「別れ」
 
別れは、突然やってきた。

「たまには、電話してもいいかなー」

君は、気持ちと裏腹なことを言う。

僕は、半分うれしくて
半分別れたくなかった。

次の言葉を
言おうとした瞬間


「トルゥ トルゥ  トルゥ  ・・・・・・」 

彼女は、電話を取らなかった。

「私、留学するの」

「・・・・・」

君は、僕の事をキライになったのを
素直にいえなくて   だから
言い訳をしたのか、それさえも言えなかった。

そして、君の最後の言葉は

「4月6日、あの駅から乗るから・・・・・」
それが、最後に君が残したメッセージだった。

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