[短編] 題名のない出逢い
28話 「1億2000万人」
僕は、走った。
走って 走って
人目すら気にせず
ただ 走った。
「12番ホーム 羽田 羽田 」
電車アナウンスが、流れた。
待ってくれ
もう一度逢いたい
ありがとうを
言いたい。
僕は、走った。
駅のホームに着いた。
ここは、10番ホームだった。
「違う 違う・・・
周りを見渡したが、
人混みの多さに君を見つけられなかった。」
12番ホームは
、
無常にも
反対のホームだった。
電車は、無常にも
近づいていた・・・・
「階段を上っていたら間に合わない、
僕は、探して見つからない12番ホームに
走って 走って
線路をまたごうとした。」
あまり周りが
見えてなかった。
自分に
「ドサッ ・・・・・・・
死ぬきか・・・・。」
偶然気付いた
警備員に止められていた。
「・・・・・・君と離れるなら
死んでるのと
同然なんだ・・・・・・・。」
僕は、
人混みの中に
「 ぁぉぃ 」
声は、次第に大きくなり
同じ言葉をただ語りかけた。
「 あおい 」
「 あおいー 」
初めて君の名を
1億2000万人に
そう 叫んだ・・・・