拝啓‥先生へ
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教室に入って来た貴方は
授業中にも関わらず
教科の先生と少し話をして
私を呼んだ
『遠藤ちょっと』
貴方に呼ばれた廊下に連れ出された
この時、何となく嫌な予感したのを今でも覚えてる
「何?」
『今家の人から連絡があって…さきのお父さんが…倒れて病院運ばれたって』
「…っ…」
『病院まで送るから準備して俺の車に来て』
「………」
私は無言で教室に戻り鞄を取って佐々木の車がある場所に行った
『…………』
「…………」
車の中で私は一言も喋らず
窓の外を眺めていた
『さき…?』
「…………」
『…無理するな』
そう言って私の手を強く握ってくれた
「…………」
20分ぐらいで病院に着き
私は急いでお父さんのいる
病室に向かった
佐々木は学校があるからと言って戻った