拝啓‥先生へ

15



春休みのある日
小田から電話が来た



「はい。」

「さき?新聞みた?」

「見とらんけど」

「佐々木、飛ばされたよ」

「そーなんじゃ‥」

「反応うっすー」

「‥‥‥」

「佐々木と何かあった?」

「‥振られた」

「佐々木が飛ばされるけぇー?」

「分からん」

「理由聞いてないん?」

「何で?って聞いた。でもゴメンしか言わんかった。」

「それで納得したん?」

「納得はしてない。てか納得出来んけど、受け入れるしかないじゃろ」

「‥佐々木何考えとんかね」

「‥‥‥」

「じゃ佐々木会うの離退任式の時だけになるね」

「うん。」

「さき、大丈夫?」

「‥大丈夫。まあ今から用事あるけ切るわ」

「分かった。またね」




小田との電話を切り
新聞を見た




「‥飛ばされるの早いよ‥」



佐々木から貰った指輪を握りしめ

静かに泣いた
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