拝啓‥先生へ
次の日
ギリギリ遅刻はしなかった
が、朝が物凄い苦手な上に今日で佐々木に会えなくなるって思うと
どーも元気になれなかった
「さき、おはよー」
「ん。」
「今日で最後じゃね。佐々木に会うの」
「うん」
「何か寂しいね」
「‥‥‥」
「うち、さきと佐々木の絡み見るの好きだったな」
「絡み?」
「うん。言葉だけ聞くと言い合いしとるよーに聞こえるけど、二人の顔見ると楽しそうに笑っとるし。それ見るとこっちまで笑顔になる」
「‥‥‥」
「もう、体育館行こっか?」
「うん」
廊下に並び私達は体育館に向かった
体育館には既に佐々木はいて
久しぶりに見る貴方に私は泣きそうになった
【只今より離退任式を行います。姿勢、礼】
長ったらしい校長の話は全く耳に入らず
ただただ愛おしい貴方を見つめていた
何回か目が合った気がしたのは私だけなのかな?
やっぱり私は貴方が大好きなんです
貴方のスーツ姿
ワックスでセットされた髪型
何処かを見つめてる目
たまに鼻の頭を掻く仕草
全てが愛おしくて
今まで貴方と一緒に過ごした日々を
思い出にしたくないんだよ