海,テトラポッド,そして花火。
クラスの全員が三上さんを見た。

私は,サツキに手を引かれてその場に俯いて立っていた。


「倫子チャン,久しぶり。」


―またあの笑顔だ。

みんなが私を見た。

「…。
お久しぶりです,三上さん。
お元気でしたか?
私,体調が優れないのでお先に失礼します。
私に構わず,楽しんでいってくださいね。」


私も負けじとにっこり笑って言ってやった。
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