海,テトラポッド,そして花火。
「え~!
帰っちゃうの?
僕せっかく帰ってきたのになぁ~。
あ,僕車で来たから送ろうか?
ね?」


「私,サツキに送ってもらうので。
失礼します。」


キッと睨んで言うと,三上さんは長いまつげをぱちぱちさせて,少し困った様子だった。


「倫子チャン,
電話するから。

あ,
短い髪もかわいいね。
君に似合ってるよ。




私は黙ってサツキと階段を下りた。


階段で涙が止まらなかった。
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