海,テトラポッド,そして花火。
きょとんとしていると,サツキはあきれたように言った。

「昨日のあんた。
泣くわ笑うわキレるわ,ここあたしの実家ですよ?
うちの親も心配してたし。
大変だったんだからぁ~。」


―あんた,ずっと准が怖いって泣いてたんだよ。
あれから4年も経つのに…。


「うぇえ。
すんません。
あの人はもう話すことはないの。
もう終わったんですー。
着拒でもしようかなぁ。」


終わった恋だと思い込まないと,私は私でいられなくなりそうで,怖かった。
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