海,テトラポッド,そして花火。
「あら~男前。
立ち話もなんだから家に上がりなさい。
ケーキもちょうどあるから。
ほらほら。」


手を振りながら,ニコニコしている母親。


三上さんは,お言葉に甘えて,と爽やかな笑顔で母親についていった。

私はこっそり深呼吸をして,三上さんのあとについて我が家へ入った。


――私があの人に気づかなかったら,帰って来なかったら,どうするつもりだったんだろう。
ずっと待ってたのかな。


母親に,お世辞を言っているあの人を見ながら思った。
< 46 / 55 >

この作品をシェア

pagetop