黄昏の宇宙(そら)
第4夜 姿の見えない者の星
イーグルには背の高い樹木は目に入ら
なかった。
みえるのは一面の草原。
バッファロー程度の草食獣が草をはみ
ながら、ゆっくりと移動している。
しかし、イーグルを呼び寄せたのは彼
等では無いだろう。
目には見えないが、圧倒的な力を彼は
感じて居た。
有る意味危険な感じのするその感覚。
彼は、意識の逆流を防止する装置のス
イッチに手を掛けながら、恐るおそる、
其れに近づいて行った。
その場所は、イーグルの意識を鷲掴み
にする位、反応が大きい場所だった。
だが、彼には何も見えなかった。
「…おまえは…なにものだ…」
そう話し掛けられた時に、やっと同期
した生命体の正体が何であるか理解出
来た。