黄昏の宇宙(そら)
第9夜 愛の星
地球人類は、一般的に人と人とを結
ぶ最少単位は愛で有り最大単位も愛で
有ると認識している。
口にしたり文章に直接書いたりすると、
何かむず痒い感覚が有る単語だが、そ
の響きに共感した結果の感覚と言えな
くも無い。
残念ながらイーグルは孤児だった。
生まれてから親の顔は写真でしか見た
事が無い。
しかし、彼は幸か不幸かレーダースの
力を持って生まれた。
そして、今日も暗く冷たく懐の深い闇
の中に、その身を浮かべ、寡黙に宇宙
の探査作業を行っている。
暫くして彼は、甘くほのかに芳しい感
覚に出遭った。