恋日記
運命の出会い
☆智也☆
・・・季節は夏
その日、智也は母の美智のお見舞いにある病院へと来ていた。
美智は一週間前に家の階段から転げおち、いたるところを骨折して入院している。
命にべつじょうは無いらしいが、今は絶対安静と医者から言われていた。
「母さん、大丈夫か?」
毎日同じ質問をすると美智は笑顔でうなずいた。
たった1人の母親が心配でこの一週間お見舞いをかかしたことは一度もない。
智也の家は、親が離婚し母子家庭だった。
母親が毎日毎日、夜遅くまで働いてくれたおかげでギリギリ生活には苦労していなかったが、入院費までとなるとさすがに息がつまってしまう。
中学2年生の智也には働くこともできないし、母親を楽にしてあげることさえもできない。
美智は、静かに目を閉じながら言った
「智ちゃん、波の音が聞こえるね。」
智也も静かに目を閉じた。
「聞こえる。」
病室の窓から見える海はとても綺麗で、耳をすませば波の音が静かに聞こえた。
でもその海でさえも今の美智には見ることができない。
起き上がることが困難だからだ。
だからこうして、ただ目をつぶり静かに波の音だけを聞いていた。
ずっとこうしていたい。
家に帰ってしまうといつも1人ぼっちだからできるだけこの病室にとどまっていたいと思った。
・・・季節は夏
その日、智也は母の美智のお見舞いにある病院へと来ていた。
美智は一週間前に家の階段から転げおち、いたるところを骨折して入院している。
命にべつじょうは無いらしいが、今は絶対安静と医者から言われていた。
「母さん、大丈夫か?」
毎日同じ質問をすると美智は笑顔でうなずいた。
たった1人の母親が心配でこの一週間お見舞いをかかしたことは一度もない。
智也の家は、親が離婚し母子家庭だった。
母親が毎日毎日、夜遅くまで働いてくれたおかげでギリギリ生活には苦労していなかったが、入院費までとなるとさすがに息がつまってしまう。
中学2年生の智也には働くこともできないし、母親を楽にしてあげることさえもできない。
美智は、静かに目を閉じながら言った
「智ちゃん、波の音が聞こえるね。」
智也も静かに目を閉じた。
「聞こえる。」
病室の窓から見える海はとても綺麗で、耳をすませば波の音が静かに聞こえた。
でもその海でさえも今の美智には見ることができない。
起き上がることが困難だからだ。
だからこうして、ただ目をつぶり静かに波の音だけを聞いていた。
ずっとこうしていたい。
家に帰ってしまうといつも1人ぼっちだからできるだけこの病室にとどまっていたいと思った。