恋日記
★舞★


病室の窓から帰り道の智也を眺めながら舞は深く深呼吸をした。

「また、会いたいなぁー・・・」

ポツリと出た本音

別になんともおもっていない・・・はずなのに・・・。

『いつになったら退院できるのかなぁー』

もう、ずっと入院をしている。

毎日薬だって飲んでるし、普通に話すことだって、歩くことだって出来るのに・・・。

――――――四か月前…春

舞はその日、いつも道理中学校に通っていた。

同じクラスの大好きな彼氏―相田春樹―に会うのが楽しみでめんどくさい授業も苦ではなかった。

休み時間になるといつも一緒にお弁当を食べてイチャイチャする。

どこにでもいそうな普通のカップル。

うまくいってると思ってたのに・・・

午後の授業―体育

広い校庭を一周しなくてはならない。

息を切らしながら地面を踏み締める。

30メートル

50メートル

80メートル

90メ・・・・・・・

そこで舞の記憶は止まっていた。

フラッと体が揺れ、舞は地面に倒れた。

目が覚めたのは、あくる日の午後。

「・・・病院?」

ベッドの隣には眠っている母親がいた。

ずっと付き添っていてくれたのだろう・・・。

ふっと窓の外を見ると太陽の光をあびてキラキラと光る海が見えた。


















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