恋日記
「お母さん、起きて!海!海だよ!」

舞は、母親を無理やり起こした。

その声に母親がぴくりと目を覚ます。

「・・・・舞。・・・・舞。・・・・まぁいーーー。」

起きて早々舞に抱きつき泣き出す母親に戸惑った。

「お母さん?」

この時、舞は自分が重い病気なのだと思った。

そんな気がしたのだ。

母親はただ「舞」と名前を呼び続け、泣き叫ぶだけ。

しばらくすると父親が舞の病室へと入ってきた。

出張だったのにあわてて駆けつけてくれたのだろう。

髪の毛はボサボサで服のボタンを掛け違えてる。

古い丸いイスに腰をおろしながらゆっくりと口を開く。

「舞。お前は、危ない病気にかかってしまったらしい。詳しくは今日の検査をしてからだが・・・まぁ、しばらくは入院だな。」

落ち着いたふりをしているが、目が泳いでいる。

明らかに動揺している。

治るんだよね?

治るんでしょ?

どうしてお母さんはそんなに泣くの?

危ない病気って何!?

もしかして・・・

私・・・

死んじゃう病気なの?

昔、テレビで見たことがある。

--------重い病気を抱えたまま一生懸命に生きる少年。だけど結局は死んでしまう。--------

そんなのテレビだけの話しだと思ってた。





< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop