どちらにしようかな、天の神様の言う通り

幼なじみの迎え

コンコン。
｢はいはーい｣
今日もあいつが俺の家に来た。誰かというとまあ幼なじみだ。ただの幼なじみではない。単に家が近くて昔から仲が良く遊んでいただけといった関係なら、ただの幼なじみだろう？
なら俺達は違う。なぜならまだ俺が幼稚園のころに…
｢早く開けて～立ってるの疲れるよ～｣
｢わかった、わかった｣
ガチャ。
｢おっはよ～今日から新学期だね！2年生か～、修学旅行があるね！｣
｢はいはいその近所迷惑な音量ＭＡＸ怒鳴り声のしゃべりかたはやめい。頼むから｣
こいつの名前は上坂百合子（かみさかゆりこ）。女だ。幼稚園のころから俺の家に迎えにくる習慣がある。そのせいでクラスの連中は｢まじラブってるなW｣｢お似合いだよ～｣｢うらやましいな～ドウシ～｣
みたいなのが続いてきた。高一までずっとだ。
まあ否定はしなかった。なぜかって？答えは自転車のたちこぎくらい簡単、こいつが｢かわいい｣からだよ。俺はぶ男ってわけでもねぇが、イケメンでもない。だから誰かに告白されたことなんてないしましてや女子と仲良くなったこともあんまない。笑えないが16年生きてきてずっとだ。