--tear--
屋上の扉を開けると数名の生徒がいた。
真衣はすかさず秀也を見つけて近くに行った。

「秀也~!」
「おぉ!西尾じゃん!」
秀也は真衣の事を名字で呼ぶ。
まぁ、付き合ってないしね・・。

「後ろは・・?」
秀也の友達が後ろにいたあたしの事を真衣に聞いた。
「藍川澪!あたしの親友だよっ!」
真衣はあたしの手を引っ張って紹介した。
あたしは頭を軽く下げた。
「よろしくなっ!俺は早瀬隆。」
「・・よろしく。」
あたしは少し人見知り。
こういうちょっとチャラい人も苦手。

「秀也何食べてんの~?」
「焼きそばパン!購買のやつ。」
真衣は秀也に必死で話しかけていた。
あたしはそんな舞を横目で見ながら、お母さん手作りのお弁当を食べていた。

「お!卵焼き美味そうじゃん。」
話しかけてきたのは隆。
「あ・・うん。お母さん手作り。」
あたしはぎこちなく話した。
男の子と話すの慣れてないし・・。
「一個ちょうだいっ!」
隆は図々しく卵焼きを一つとって、口に運んだ。
そして満面の笑みで「超美味い!」と言った。


< 3 / 15 >

この作品をシェア

pagetop