あの頃は美穂がいて
今思うと、美穂のほうから声をかけてきたというのは不思議だ。3年間一緒にいたけれど、積極的に誰かに話しかけていくということはほとんどなかったように思う。むしろ、一緒にいる私が美穂の代わりに行動していた。

(石橋君の件だってそうだ。お互い好きなのに、いつまでもグズグズやっているから。私が思い切って伝書鳩役を買って出たのだった)


< 15 / 200 >

この作品をシェア

pagetop