白い天井~恋愛依存症候群~
ピッ

画面を切り替えると、また、アタシは祈る思いで発信ボタンに指をかけた。

万が一、ユウヤに何かあったら。

仲のいい知り合いでもなんでもない。
けれど、このままユウヤに死なれてしまったら、それはきっと、止められなかったアタシのせい。


プ、プ、プ


聞き飽きた、電波を探す単調な音。

いつしか、アタシの頬は、さっきまでとは違う涙で濡れていた。


通り過ぎる人が、チラッとこっちを見ては、気まずそうに立ち去って行く。


プル……

何十回目のリダイヤルだろうか。
もう、あれから運命の10分は過ぎてしまった。


ダメだ……。


もはや諦めかけたその時。

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