白い天井~恋愛依存症候群~

ユウヤは、結局、浮気をやめられなかった。
宣言通りアヤカとは、切れた。


でも。


「ま、わかる気もするんだ~」


時折虚ろになるアタシを知ってか知らずか、ハルコはグラスの氷をゆすり、のんびりと天井のファンを見やった。


「不安が強いとさ、一人じゃ落ち着かないって言うか。刺激がないと心配って言うか……」


アタシにはわからない、そういう感覚。

ユウヤの、気持ち。


興味と軽い嫉妬が、耳をしっかり掴んで離さない。


「チサの気持ちを確かめるために浮気する。それが一つ。
で、もう一つ、タチ悪いのが」


遠い目をしながら語り続けるハルコの言葉は、なんだか妙に説得力がある。
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