白い天井～恋愛依存症候群～

「なんてっ！酔っ払いの戯言でした～」


何か強めのラムを。


通りかかった店員を呼び止め、すっかり口紅の落ちた唇に卓上のナッツを運ぶ。
その姿は、酔ってはいても、いつものハルコだ。
さっきまでの諦めきったような気配は、欠片もない。


わかってるつもりで、ユウヤのこと、ホントは全然わかっていない。

そしてアタシは、ハルコのことも……。


「ま、チサはとりあえずドンと構えてればイイんじゃない～？バレた時に切られないのは本命の証拠でしょ。
しかもいろいろ弱み握ってるっぽいし～」


運ばれてきた酒を含み、いたずらっぽく笑う。


「弱みって……」


「アンタには甘えてくるでしょ？頼られてるってことよ～」


頼られてる……。
甘えてる……？