白い天井~恋愛依存症候群~
「生きてるよね!?」

やっとの思いで、それだけ言った。


「チサちゃん?」


きっと、ユウヤは電話のむこうで小さく笑ったのだと思う。吐息が、薄く響いた。


「生きてる、よ。まだ、ね」


妙にゆっくりとしたしゃべり方。


「今どこ?一人?」

「……家。一人、暮らし、なんだ」


焦ってキンキンまくしたてるアタシと対照的な、ユウヤの声。


一人暮らし?
それじゃあ、誰も気づいてくれない。

ユウヤを助けられるのは、アタシしか、いない。


「場所教えて。今すぐ行くから!」


もう深夜近いとか、財布の中身が少ないとか。挙げ句の果てには、自分の恋が崖っぷちだとか。
そんなこと、かけらも思い出さず、アタシは、すでに最大になっている受話音量をさらに上げようと、カチカチとキーを押した。
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