白い天井~恋愛依存症候群~
慟哭
冬にさしかかった空は、どこまでも高く、青かった。

つむじ風をもの珍しそうに追いかける子どもたちを微笑ましく眺めながら、アタシはバスを待っていた。

10分前にあったバスは、わざと見送った。
夏に別れたままの、彼の姿があったから。


ブブブブッ


バックの中で、携帯がユウヤからのメールを受信して、忙しげに震える。


『今日、夕方からゼミ入っちゃった。早く帰ってチサと遊びたかったのに~』


このところ、自分でも驚くくらい、平和で幸せな毎日を送っている。
たまにああして彼を避ける以外は……。


ユウヤは、今も、恋人候補みたいな雰囲気のメル友を2人、確保しているらしい。

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